「ポータブルエコーってなに?」「ポータブルエコーは便利そうだけど、どれを選べばいいかわからない」などと、悩みや疑問のある方は多いかもしれません。
ポータブルエコーは、持ち運びが簡単で場所を選ばず利用できます。どこでも診察できることがメリットのひとつです。購入には数十万円必要であり、100万円を超える製品もあります。しかし、レンタルできるポータブルエコーがあります。
そこでこの記事では、ポータブルエコーのメリットやデメリットだけではなく、おすすめのレンタル製品を5つに厳選して解説します。
ポータブルエコーとは?
ポータブルエコーとは「超音波診断装置」を持ち運び可能にした医療機器です。
超音波を使い臓器の形や大きさなどをすぐに画像にできるため診断に役立ちます。弁膜症やがんなどを検出できます。また、緊急時にも活用できるため、処置もスムーズです。
患者さんの身体に当てて使用するため、切ったり、刺したりしません。被ばくや痛みもなく検査ができるため、病院での検査や訪問診療など幅広い分野で活用できます。
近年ではスマホと連携できる製品があり、一般の方、例えば妊婦さんが自宅でお腹の中の赤ちゃんの様子を見れるなど活用の幅が広がっています。今後、ポータブルエコーの需要はさらに高まるでしょう。
ポータブルエコーのメリットとデメリット
ポータブルエコーのメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
メリット
まずは、以下4つのメリットを解説します。
- 持ち運びが可能(どこでも診察できる)
- 設置型に比べ比較的安価に導入できる
- スペースにとらわれず利用できる
- 操作性が高く画像を簡単に見れる
持ち運びが可能(どこでも診察できる)
ポータブルエコーは、軽量かつコンパクトで持ち運びができます。
これまでは、エコー検査は病院でしか実施できませんでした。しかし、ポータブルエコーは持ち運びができるため、どこでも診察できます。
例えば、安静が必要な方や障害により通院できない方もエコー検査が可能です。
設置型に比べ比較的安価に導入できる
設置型に比べて安価に導入できることもメリットのひとつです。
設置型のエコーは、機器自体が大きく、1,000万円を超える製品もあります。一方で、ポータブルエコーであれば数十万円で購入できます。
スペースにとらわれず利用できる
ポータブルエコーは、広いスペースを必要としません。
従来の設置型のエコーは、大型で重量もあり広いスペースを要しました。一方で、ポータブルエコーはコンパクトであるため、小さなクリニックや在宅医療などさまざま場面で利用できます。
操作性が高く画像を簡単に見れる
ポータブルエコーは、コードが不要な製品もあり、操作性が高いのが特徴です。
タブレットやスマホなどで画像を簡単に見れるため、迅速な診断に役立つでしょう。画像を大きくしたい場合はパソコンとの連携もできます。
デメリット
次に、以下3つのデメリットを解説します。
- 機能面が制限されている場合がある
- 長時間の使用には不向き
- 精度が劣る場合がある
機能面が制限されている場合がある
設置型に比べて、機能が制限される場合があります。例えば、設置型であれば、より高精度・高画質な画像を抽出できたり、エコーの使い方によるばらつきを補正する機能が搭載されたりしています。
しかし、近年技術が大きく進歩し製品の機能が向上しています。画面の共有ができるなど機能が豊富です。なかには、手を使わずに音声操作ができる製品もあります。
長時間の使用には不向き
多くのポータブルエコーは充電式です。そのため、長時間の使用には向かないかもしれません。
しかし、大容量のバッテリーを搭載し、6時間利用できる製品があります。今後品質の向上により、より長時間利用できる製品開発に期待できます。
精度が劣る場合がある
ポータブルエコーは、コンパクトであるため機能が制限され、精度が劣る場合があります。
需要が高まることで、活用できる場や診断できる疾患が増えるなど、ポータブルエコーの精度はより向上するでしょう。
レンタルができるポータブルエコー5選
ここでは、レンタルができるポータブルエコーを5つ厳選してご紹介します。
- iVizair
- VscanAir
- 小型超音波画像診断装置WiZ
- ポケマム
- Vscan Extend R2|GEヘルスケアジャパン株式会社
それぞれをみていきましょう。
レンタルができるポータブルエコーの比較表
iVizair|Fujifilm
iVizairは「超音波診断装置をポケットに入れて持ち歩く」をコンセプトとした製品です。
AI技術を活用して開発した直腸観察ガイドや尿量自動計測などの機能を搭載しており、ワイヤレス、高画質、高可搬性の3つが特徴です。
レンタル期間 |
料金(税込) |
1~6ヶ月 |
月額44,000円 ※往復運送料は別途必要 |
感染症対策や清潔な操作が必要な場面でも活用できます。在宅医療を中心に医療従事者や患者さんの負担軽減に貢献しています。
また、期間限定ではありますが”介護施設”さま用にアセスメントパックとして低価格でレンタルも可能になっております。
レンタル期間 |
料金(税込) |
1ヶ月~ |
月額27,000円 ※往復運送料は別途必要 |
出典:インフィック株式会社
お申し込みも簡単で、以下のフォームより詳細をご確認ください。
VscanAir|GEヘルスケアジャパン株式会社
VscanAirは「まるで聴診器のように」をコンセプトとした製品です。
専用端末を持たない設計であり、普段使っているスマホも利用できます。改良を続けたプローブにより高画質を実現します。
レンタル期間 |
料金(税込) |
短期レンタル(1~12ヶ月) |
月額42,350円 |
長期レンタル(3年) |
月額21,780円 |
深い部位、浅い部位に関わらずスキャンでき、手軽に利用できるのが特徴です。
小型超音波画像診断装置WiZ|村中医療器株式会社
小型超音波画像診断装置WiZは、外部電源が不要で高速起動ができる製品です。
表示器はコンパクトであり、画面レイアウトは利き手に合わせているため片手で操作できます。操作性を追求しており、ストレスなく利用できます。
レンタル期間 |
料金(税込) |
1週間 |
10,780円 |
2週間 |
17,600円 |
4週間 |
30,800円 |
衝撃にも強いため、安心して持ち運びできるでしょう。
ポケマム|株式会社ボーダー
ポケマムは、妊婦さん用のエコーシステムを搭載した製品です。一般の方が利用できるようにシステムを簡素化しています。
レンタル期間 |
ポケマム1/料金(税込) |
ポケマム2/料金(税込) |
|
初回 |
4週間 |
21,780円 |
27,280円 |
8週間 |
38,280円 |
47,080円 |
|
レンタル中 |
4週間延長 |
18,480円 |
22,880円 |
8週間延長 |
35,750円 |
43,780円 |
自宅でもお腹の赤ちゃんを見れるため、おじいちゃん、おばあちゃんも楽しめるでしょう。
Vscan Extend R2|GEヘルスケアジャパン株式会社
Vscan Extend R2は、1台で異なる周波数でのスキャンを可能とした製品です。
深い臓器を抽出できる低周波セクタと、浅い臓器を抽出できる高周波リニアの2種類の周波数を利用できます。
レンタル期間 |
料金(税込) |
1週間 |
15,400円 |
1ヶ月 |
49,500円 |
※往復運送料は別途必要 出典:オリックス・レンテック
アプリケーションも豊富であり、自動画像最適化機能、肺Mモードなどがあります。起動もスムーズであるため、迅速に利用できるでしょう。
ポータブルエコーをレンタルするときの選び方
さらに、ポータブルエコーをレンタルするときの3つの選び方を解説します。
- 価格が予算と合っているか
- 機能や性能は十分か
- メーカーのサポートがあるのか
それぞれ選び方のポイントをみていきましょう。
価格が予算と合っているか
価格が予算と合っているかを確認しましょう。
ポータブルエコーのレンタルは、購入よりもコストを抑えられます。しかし、予算に見合わなければ長期的な利用は難しいです。
そのため、ポータブルエコーをレンタルする際には予算や利用期間を決めたうえで検討しましょう。また、その際には送料や保証費なども忘れないでください。
機能や性能は十分か
ポータブルエコーは、製品により機能や性能が異なります。以下のポイントに気をつけると良いでしょう。
- 持ち運びしやすいか
- どの部分まで画像を抽出できるか
- 画像処理はできるか
- 画質はきれいか
- ワイヤレス接続できるか
ポータブルエコーの価格だけではなく、求める機能や性能があるのかなどを確認してください。
メーカーのサポートがあるのか
メーカーのサポートもポータブルエコーをレンタルするうえで重要です。故障や不具合が生じると診療やケアに支障をきたし、診断ができない恐れがあります。
すぐに代替機を用意してくれるのか、修理時は有償であるのかなど、サポートはレンタル会社によって異なるため、レンタルする前に確認しましょう。
ポータブルエコーの活用シーン
最後に、ポータブルエコーの活用を3つの事例で紹介します。
- 介護施設での活用例
- 医療現場における活用例
- スポーツ現場における活用例
ポータブルエコーの活用シーンを具体的にみていきましょう。
介護施設での活用例
介護現場について、実際の活用例をご案内いたします。
介護現場では、医師が在中していない事が多く、ポータブルエコー等を用いた診断は出来ないことになっています。ただ、看護師がいる場合であればポータブルエコーを通じて状況を把握することに役立ちます。
例えば、数日間排便が無く摘便をするタイミングで最後に排便まで至らなかった場合、お客様への負担を考えるとなるべく避けたいと考えます。その際、ポータブルエコーを用いることで直腸まで便が到達しているのか把握することでなるべく負担を減らしつつ最適なタイミングを図ることが出来ます。
今やポータブルエコーはツールとして広がっており、介護現場だけでなく医療やスポーツの現場でも使用されています。
医療現場における活用例
医療現場においては、病院、クリニック、訪問診療などの場面で活用できます。
病院やクリニックでは普段の診療だけではなく、患者さんの状態が悪化した際にすぐにポータブルエコーを持って行けるため迅速な診断が可能です。1分1秒を争う場面でのスムーズな処置やケアにつながります。
また、訪問診療の場でも、患者さんが来院する必要がないため、患者さんや家族の負担を軽減できます。
ほかにも、災害時の診療、医療過疎地での診療、健康診断時の診療、訪問看護など、さまざまな場面で活用できます。持ち運びが簡単であり、高性能なポータブルエコーは今後も活用できる場面が広がるでしょう。
スポーツ現場における活用例
スポーツ現場においては、負傷や故障時などの場面で活用できます。
適切な診断により、病院への搬送が必要な状態でも、スムーズな治療やケアにつなげられます。また、定期的にポータブルエコーで選手の状態をチェックすることで、異常の早期発見も可能です。
特に子どものスポーツにおいては、身体の発達が未熟であり骨折、靭帯損傷、何らかの障害などを起こしやすい現状です。しかも、子ども自身が異常を自覚できず、異常と訴えることが難しい場合があります。
異常を早期発見できれば、大きな負傷を避けられ、今後の障害発生のリスクを軽減できる可能性があります。
まとめ
ポータブルエコーは、持ち運びが簡単で場所を選ばずどこでも診察できるメリットがあります。性能や機能が向上しており処置やケアができるため、病院だけではなく、訪問診療やスポーツ現場でも活用可能です。
購入には数百万円かかりますが、レンタルであれば数十万円で利用でき、コストを抑えられます。
ポータブルエコーは製品により特徴が異なるため、求める機能や価格、サポートを確認したうえで、目的に合ったものを選択してください。