前回まで、介護の現場で実際にあった心温まるお話をご紹介いたしました。
今回は、災害に備えた介護者の日頃の心構えについて考えてみましょう。
毎年のように地震・大雨・洪水・土砂崩れといった災害が日本でも起こっています。
これらの災害は時と場所を選ばず、そして予想できないタイミングで起こることもあります。
たとえ直接被災されなかったとしても、ご家族やご友人の方々が被災される場合も考えられます。
被災地では、高齢者はストレスを募らせ精神的に不安定になっていたり、介護スタッフはほぼ無休で笑顔を絶やさず頑張っても体力の限界が近づいていたりと、要介護者や介護スタッフの皆さんが多大なる苦境に立たされることになりかねません。
ライフラインが止まり、限られた物資、スタッフ自身も被災者である中での介護となれば、想像を絶する世界であろうと思います。
介護や医療が必要な高齢者は「災害弱者」となりやすく、ご家族の日頃の心構えはとても大切なものとなります。
在宅介護生活を送っている高齢者は、家族と連絡がとれなくなることも想定して、近隣の人へ状況を伝え、非常時に手助けを頼んでおくことが重要になります。
特に認知症の方はいつもと違う環境に置かれると不安が増しパニック状態になり、自分から支援を求めることが出来ない場合もあります。
また、自宅内での安全対策として、ベッド周辺には落下の危険があるものや出入り口付近には倒れそうな家具を置かず逃げ道の確保が出来るようにする事、杖や車椅子は置き場所を決め、家具の下敷きにならないようにする等、オムツやインスリン注射一式等も必要に応じて準備しておくことをお勧めします。
その他、まとめておきたい情報として、家族の連絡先、血液型、服用している薬の種類、持病、医療・介護で注意すべき点を他者が見てもわかるようにしておくとスムーズな対応に繋がることなると思います。
災害に備えて日頃から周囲と連携し準備をしておきましょう。