介護の深イイ話:急な怒りや行動にも理由が―本音を話せる信頼関係から築く笑顔の生活

介護の深イイ話、本音を話せる信頼関係から築く笑顔の生活

 

今回の深イイ話は、お酒と競馬が大好きな旦那さんと控えめな奥様のお話です。

 

ある晩、旦那さんがお酒を飲みに出かけられましたが、いつも帰ってくる時間になっても帰ってきません。
心配になった奥様が探しに行った所、家の裏で倒れていました。
一命を取り留めたものの、意識が戻らない日々が20日間続き脳にダメージを負ったようで、話をしたり、歩行することが困難になってしまいました。

 

そして入院生活が始まります…

 

病院では、奥様と懸命にリハビリに励み、会話も歩行もできるようになりました。
しかし、状態が回復するにつれて病院にいることに反発するようになり、怒りだしたり病院から出て行くようになってしまいます。

 

そんな中、退院が決まり、奥様は住み慣れた我が家で一緒に生活できる喜びがある反面、怒り出したり、徘徊してしまった時の対応がとても不安でした。

 

相談を受けた私達は小規模多機能ホームをご紹介しました。
旦那さんは、変わらず、話しかけると怒ったり、ホームを出て行こうとします。
私達は、少しでも旦那さんに居心地が良い環境を作ろうと、コミュニケーションを取り続けましたが、一向に状況は変わりません。

 

ある日、旦那さんに問いかけました。

 

「どうしたら納得ができるのか本音を教えてください」

 

すると、この時ばかりは、静かにこう答えてくれました。

 

「妻のいる所へ帰りたい。妻と一緒にいたい!」

 

本音を言えた旦那さん、聞けたスタッフは互いに信頼関係を築きあげる事ができ、それ以来、旦那さんは、落ち着いた生活を送る事ができるようになりました。
今では、笑顔でホームへ来て下さいます。

 

『お一人お一人と向き合っていく』
これからもそんな笑顔の関係を築いていきたいと思っています。

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